バリアフリーを考えた住宅作りのポイント

投稿日:2015.01.22

バリアフリーを考えた住宅作りのポイント

玄関の段差解消やスロープの設置、手すりの取付けなど、身体の不自由な人が日常生活を行う上で障壁(バリア)となるものを取り除くことをバリアフリーと呼んでいます。

家を構える時点でバリアフリーの必要性を感じる人は少ないかもしれませんが、年を重ねても安心・安全に暮らしていくという観点からも、バリアフリーを施しておくことは大変重要なことです。

住宅のバリアフリー化を考える際は、身体の不自由な人だけではなく、同居する家族にとっても使い勝手が良く、コミュニケーションを取りやすい環境づくりを心がけることが大切です。個々の機能を充実させるだけではなく、人の目や手があってはじめて安全・安心な暮らしを送ることができます。

廊下の幅は広くする

廊下の幅は後から変更が難しい部分であるため、新築の時点から十分な幅を確保しておくことが大切です。例えば、車椅子で屋内を移動する際は85cm以上が基準とされていますが、車椅子が回転するスペースを含めると最低でも150cmの幅が必要です。

車椅子を使用しない場合でも、廊下の幅が狭すぎると手すりに衣服がひっかかり転倒したり、身体をぶつけたりするなどの危険性があります。また、幅が狭い廊下は日中でも暗くなりがちなため、事故が起こりやすくなります。開口部をできるだけ広くすることはもちろんのこと、足下を照らすランプを取り付けるなどの工夫が必要です。

手すりは低い位置に取り付ける

手すりの高さは、使用目的によって異なります。廊下の場合は、床に立ってまっすぐ腕を下ろした姿勢をとった時に、手首もしくはだいたいこつだいてんし大腿骨大転子(太股側面にある突起部)の高さを目安として調整します。一般的には床面から75cm~80cmの高さと言われていますが、実際に歩いてみて最も快適な高さに設置すると良いでしょう。

出入り口に設置する場合は、手すりを握った時に手すりの上端が肩の高さになるような高さを目安とします。手すりの長さは50cm以上あると、車椅子に座った状態でも手を伸ばしやすく、立ち上がりの補助として利用することができます。

また、手すりの太さは3~4cmが一般的で、壁面との間隔は3cm以上が握りやすいとされています。身体が不自由な人だけではなく、同居する家族一人一人が快適に移動することができるよう、導線を損なわない場所を検討していきましょう。

建具の工夫

ドアを開閉する動作では、普段感じている以上に筋力やバランス能力を必要としています。特に、ドア板を前後に移動させる開き戸は手足が不自由な人にとって大変扱いにくいもので、移動をおっくう億劫にする要因の一つになっています。

さらに一方、ドア板がレールに沿って横方向に移動する引き戸は、あまり重心を移動せずに開閉させることができますので、比較的安全です。少しの力により自動で全開位置までドア板が移動するタイプを選べば、移動時の負担が軽減されます。ドア板が壁の内側に収納される分、開口部のスペースを広く確保できるため、車椅子での出入りもスムーズになります。

移動がしやすい間取りにする

食事や排泄、入浴など日常生活に多くの介助を必要とする場合は、本人または介護者の導線に配慮した間取りを考えておくことが大切です。ひんぱん頻繁に行き来する場所と居室は隣接させるなど、移動に時間をかけないような工夫をすると良いでしょう。

例えば、トイレと寝室の導線は重要です。高齢になると尿意を感じてから排尿までの間隔が次第に短くなってくるため、トイレと寝室はできるだけ近くになるようにしましょう。

以上のような、バリアフリーを考えた住宅作りを行ったとしても、身体の不自由な人にとっては、生活を送る上での快適さを100%感じられるものではありません。

周りの人間が、その人の気持ちになる、もしくは直接本人から聞いて、どんなところに不便を感じているかを知り、理解することが、より良いサポートへとつながります。そのサポートがあり、はじめて100%に近い快適さが得られるものではないでしょうか。

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